対人トラブルの事例

看護師と患者のやりとりなかで、会話に齟齬が生じたり、お互いに合う合わないの問題が起こるのは当然です。
相手のことを考えて対応したつもりでもトラブルが起きることもしばしばあります。
それをきっかけに、看護師を辞めたいと思った事例を案内。

<ケース1>
ある産婦人科医院に勤め始めて間もないSさんは病室にいる方から「病院の出入りは何時から何時までですか」と尋ねられました。
その医院は通常の外来が終わった後の午後9時から朝の6時までは施錠されることになっています。
そこでSさんは「朝6時から午後9時までです」と答えました。
それは間違いではなかったのですが、後になって確認すると実際には午後9時以降でもインターホンで連絡すれば外部の方が入ることは可能でした。
そのことを付け加えようと患者さんの所に戻ったところ、「もう別の看護師さんに聞いたから大丈夫だ」と言われてしまいました。
この場合Sさんはまだ新人だったので仕方ありませんが、最初から追加情報として夜間の出入りに関しての話も付け足しておけばもっと親切でした。
質問を受けた際には患者さんの役に立ちそうな情報も補足してあげれば印象もよくなるので、あらかじめいろいろな情報を頭に入れておくことも必要です。

<ケース2>
小児科医院に勤務するAさんは1回目のインフルエンザの予防接種を受けた子供の保護者から2回目の予防接種の予定を聞かれました。
原則2週間後となっているのでその日付を告げたところ「その日は親が都合が悪くて行けない。その前日では駄目か」と言われました。
医師に確認もしてやはりきちんと2週間後でなくては駄目だと言う。
「どうしてたかが一日違うくらいで駄目なのか。前日の夕方に打てば同じではないか」と反論を受け、
結局その保護者は別の医院で頼むと言って立ち去ってしまいました。
実はAさんはこの時「決まりではそうだから」「そういうことになっているから」と、とにかく「決まりなので駄目だ」という台詞を繰り返していました。
確かに決まっている事は仕方ないですし、看護師が勝手な判断で予定を早めてはいけません。
しかし、この時保護者が聞きたかったのは病院の決まり事ではなく、不便であることに対する謝罪です。
気分を害している相手には一言「すみませんが」「申し訳ありませんが」といった言葉を添えるだけで相手の心証はずいぶん違ってきます。

<ケース3>
看護師のKさんはある患者の措置入院に立ち会いました。
(措置入院:精神疾患のため、自分自身を傷つける恐れがある場合に行政が命令して入院されるもの)
入院後、その患者が落ち着いた際に面会したところ、患者から「Kさんはあのとき笑っていましたよね」と言われてしまいました。
あのときとはもちろん措置入院の際のことです。
実際には、Kさんはまったく笑ってなどいませんでしたが患者から見ればそう思えてしまったようです。
結局それからもその患者からKさんは「敵」と見なされてしまった様子で十分な対応ができませんでした。
これは特殊なケースかもしれませんが、何かのきっかけで患者が看護師を敵視するような状況になることは避けなければいけません。
ちなみにKさんはそれからは措置入院の際は必ず警察官など第三者を挟んで立ち会うようにしているとのことです。

患者にもいろいろな人がいますが、ちょっとした言葉の添え方や対応のコツを知っておけば無用のトラブルを回避することができます。
看護師にとってもある意味「演技」は必要です。その時に相手が求めている姿を「演じる」ことで上手な対応ができることも事実です。

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